インドでのヒマラヤトレッキングも、これではや4度目。
遭難の恐怖も、体の痛みも、あちゃの村で完全に癒え、
また山と対峙するトキがきた。
今回歩くルートは、過去に行方不明者や転落死亡者が出たことから、
トレッキングルートとして今は誰も足を踏み入れない、
というより踏み入れられない土地だ。
というより踏み入れられない土地だ。
だけど、今回はあちゃとその家族のローカルインド人青年3人が一緒なので、
特別に連れていってもらえることに。とても心強かった。
特別に連れていってもらえることに。とても心強かった。
あとのメンバーは、偶然再会した山経験豊富なフランス人ケヴィン、
そしておなじみイギリス人ジェリーとエリオット。
そしておなじみイギリス人ジェリーとエリオット。
体力が一番ないのはどう考えても私なので、足を引っ張らないよう気合いを入れ、
バックパックを出来る限り軽くパッキングする。
面白いことに、毎トレッキングごとにバックパックが軽くなっていく。
不必要なものが削ぎ落とされると、自分の心も研ぎ澄まされていくように感じた。
バックパックを出来る限り軽くパッキングする。
面白いことに、毎トレッキングごとにバックパックが軽くなっていく。
不必要なものが削ぎ落とされると、自分の心も研ぎ澄まされていくように感じた。
「チャロ!!」
ヒンドゥー語でレッツゴー!の意味の掛け声でトレッキングスタート!!
太陽が葉の隙間から降り注ぐ森の中を延々と登っていくと、すぐに汗が噴き出してきた。
自分と皆の荒い息使いが聞こえるが、足は止めない。
4時間ほど登り続け、澄んだ小川の流れる場所でチャイブレイク。
皆で手際よく小枝を集め、焚き火でチャイを涌かす。
太陽が葉の隙間から降り注ぐ森の中を延々と登っていくと、すぐに汗が噴き出してきた。
自分と皆の荒い息使いが聞こえるが、足は止めない。
4時間ほど登り続け、澄んだ小川の流れる場所でチャイブレイク。
皆で手際よく小枝を集め、焚き火でチャイを涌かす。
チャイ待ち 空腹絶頂 |
このトレッキングでは、食料を軽くするのと時間削減のために、お昼ご飯はチャイとビスケットのみ。
疲れた体に甘くてスパイスの効いたチャイが奥まで染みる。
だけどおなかは全然満たされない。
その後さらに4時間ほど歩くと、やっと森を抜けて視界が開けてきた。
「そういえば、今日はクリケットの試合の日だったかも。」とメンバーの一人がいう。
標高3千数百メートルの山奥で毎年試合を行っているそうだ。
目を凝らすと、逆側の山に一カ所だけ太陽が照らされている平地が見えた。
よくよく見ると、点の物体が動き回っている。
酸素の薄い何という場所で!と思うが、最高に爽快なのは間違いない。
すぐに息は切れるだろうけど、彼らにはどうってことないのだろう。
ヒマラヤとあちゃ |
そして道も何もないだだっ広い丘の上のような場所を登り切ると、
そこには目を疑うような光景が待っていた。
切り取ったようなバックグラウンド |
絵が貼付けられたような6000m級の山脈がどーんと目の前180度に広がり、
山の上とは思えないような平らな草原にはピンク、紫、青の鮮やかな花が一面に咲き乱れていた。
岩ごろごろの先はお花畑 |
ここでテントを張れるなんて!朝目覚めてこの光景を拝めるなんて!
疲れが一気に吹っ飛ぶくらい気持ちが高揚する。
が、空腹は3度目のピークくらいに達して限界に来ていたので、
せっせと野菜を切って、お米を炊き出す。
パッケージ品は使わず、野菜とスパイスで1時間ほどカレーをしっかり煮込む。
マサラの香りがさらに食欲をそそってくる。
ご飯が待ち遠しい! |
今晩のご飯は、野菜たっぷりカレーと、あちゃ特製の巨大な水餃子とパンと中間くらいのやつ!(名前は不明)
大量の炭水化物でお腹を満たし、お皿は銀紙を張ったような紙のお皿、もちろんカトラリーはなし。
カレーとお米をつかむ指先がアツアツなのも、紙の皿がふやけてグダグダなのも気にせず、
無我夢中に素手でご飯をほおばった。むちゃくちゃ美味しい。
野菜の切れ端は鳥が食べて土に還るだろう、とそのままにし、
お皿は貴重な数滴の水で綺麗に洗い流し、次の日のために乾かす。
男性と同じ量を食べて、もう動けないくらいお腹一杯になったところで、
あと30分くらい丘を登って、トレーニングがてら夕日を見にいこうという声が。
本当は今すぐにでもテントに飛び込みたかったが、がんばって腰を上げる。
重い体に登り坂はかなり堪え、ヘッドライトを付けないと足元が見えないほどもう暗い。
もう上に登っても、着く頃には真っ暗なんじゃないのかなと思いながらも、皆の後を追って登る。
あと少し、あと少しと一歩ずつ頂上に近づくにつれ、空が赤みを帯びてきた。
するとまたも頂上には今まで見たことない世界が!
雲の上 |
眼下にはネイビー色の雲、そして空はオレンジ色に光り、まさに何かが光臨してきそうな光景に、
皆目を奪われていた。こんなの見たことがない、と誰かがつぶやいた。
そして気付くと無意識に涙が流れていた。
思わず涙が出ちゃうくらい美しい光景に出会いたい、と思うことがたまにあったが、
ここはまさにそういう場所だった。この瞬間にはもう二度と出会えない儚さがいい。
しんどい思いをして登ったからこそのごほうびだ。
完全に真っ暗になるまで皆で空をぼーっと眺め、
さぁ、そろそろテントに戻って寝ようか、と丘を下っていく。
だけどとにかく真っ暗で目印もないから、こっちだっけ?あっちじゃない?と、
皆ハイになってるのもあって方向が全然分からない。
いや、こんなに長く急な登り坂はなかったよね、と引き返しては進みを繰り返してるうち、
あれ、まさか朝になるまでテントに戻れないとか?
と一瞬ぞくっとしたが何とか感覚で引き返すことができた。
やっぱり暗くなってから歩くのは危ないね、といいつつも、
まだあの雲の上の世界の余韻は残っていた。
初日からただのトレッキングではないドラマがてんこもり。
次の日に向けて、あったかくして寝袋にくるまった。
つづく。
次の日予告!霧でまっしろー! |
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