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2014/10/03

CHASING ICE ~究極の氷河調査~


まじで、やばい。


このドキュメンタリー映画を観たあと、いや観てる最中でさえも、
身を乗り出しちゃうくらいいてもたってもいられなくなった。


2012年のドキュメンタリー映画、
 CHASING ICE 』




















自然写真家であるジェームス・バローグ氏の、
Extreme Ice Survey ( 直訳:究極の氷河調査 )プロジェクトを追った作品。

アラスカ、グリーンランド、アイスランドといった場所に特殊カメラを設置し、
長期にわたって氷山や氷床が変化していく姿を捉えるという、
かつて誰も見たことない映像を記録している。

多くの科学者がコンピューターを使ってあーだこーだと気候変動の研究をしている中で
ジェームスは、そんな紙面のデータではなく、実際に目に見える変化が「今」起こっていることを
ヴィジュアルで伝えることが最も影響力がある確信し、このプロジェクトを発足させた。

彼とそのアシスタントは、過酷で厳しい氷山を自らの足で登り、テントを張り、
一台一台のカメラに想いを込めて設置していく。

















地球温暖化という言葉を以前のように取りたてて耳にしなくなった今日この頃。
このドキュメンタリー映画を観て、改めて考えさせられた。

特にここ数年、洪水や巨大台風、山火事などの極端な異常気象が世界各地で
次々と起こっている現実にもかかわらず、まだ本当の意味での身の危険を実感しないせいか、
今までと同じ暮らしを続けている私たち。

だけど、過去10,000年間変化していなかった巨大氷山が、
カメラを設置してからのたった3年の間で、みるみるうちに溶けていく様子を見て、心底ぞっとした。

そして驚くべきことに、過去10年間に溶けた氷河は、過去100年間で溶けた氷河よりも多い
という揺るがない事実。

なんとなく感覚的に、段階的に少しずつ氷河が溶けて
じわじわと気温上昇が進んでいると思っていたけど、そうじゃない。
そのスピードは確実に毎年ごとに加速している。


しかし、こういった温暖化現象がCO2のせいではなく太陽活動が原因だという説や、
温暖化とはまったく逆の、地球寒冷化説もある。
さらには、地球温暖化問題は人為的に造り上げられたものだという話も。
ネット上にあふれる情報を知れば知るほど、困惑してしまった。





















正直言って、今後何が起こるうるのかは、
科学者の中でも意見が分かれるくらいなんだから、私には到底分からない。

何を信じるか信じないか、という地球規模の議題に翻弄されるよりも、
まずは自分自身の生活を見直したい。


ジェームスには、小さな娘がいる。
そして彼は言った、
「 娘が30歳になって、『お父さん、地球温暖化が起こっていたとき、
それが起こっているのを知っていて、その時いったい何をしていたの?』と聞かれたときに、
『 お父さんは出来る限りののことをやっていた、何をすべきが分かっていた』と言いたい。」と。

たとえ地球温暖化が嘘だった、と結果的に分かったとしても、彼が信じる問題を彼なりの方法で必死で解決しようとしたことに、私は敬意を感じる。


私もそう遠くない将来、自分の子供が欲しいと思っている。

あらゆる深刻な問題だらけのこの世界で子供を産むならば、
自分に出来る限りのことをして、しっかりと選択して生きたい。

この世界は、美しいものと素晴らしいもので溢れているよ、と心から言えるように。

















またジェームスは、気候変動調査のため氷河を記録していくと同時に、
氷河の美しさに取り憑かれた一人でもある。

文明が存在しない極寒の土地で、様々な表情を見せる氷の数々。

彼が映し出す幻想的な氷河を見ると、彼がただの研究者ではなく、
愛をもって氷の世界を美しいと感じている写真家だということがひしひしと伝わってくる。



残念ながら日本では公開予定がないようなのですが、
ぜひとも何とかして観てほしい映画のひとつです。

www.chasingice.com




















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