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2014/02/12

ヒマラヤを歩く 〜楽園、そして遭難編〜その2


トレッキング2日目。
次の目的地、Bebraという集落を目指す。

1日目にも増して分かりずらい道に少々迷いながらも、
ガイドブックを確認しながら前へ進んでいく。


ナッツと水分補給ブレイク

















ガイドブックには目印のひとつとして、チャイ屋さんのマークがある。
今までのトレッキング中にあったチャイ屋さんは、ラフだけどそれなりにしっかりした小屋で、
いつも登山客で賑わっていたが、今回のチャイ屋さんはそれに比べるとかなり素朴。

ひとつ目のチャイ屋さんは、おじいちゃんがせっせと一人でやっていて、
頼む前からチャイを煮込み出してくれていたので、ひと休みすることに。


ほっこりチャイブレイク1


















ふたつ目のチャイ屋さんは、ただ石で囲いを作っただけの造りで、お父さんと息子らしき二人がやっていた。
今日一日私たち以外誰も通らないんじゃないかってくらい人っ気のない山奥で、
この親子は来るか来ないか分からない誰かのために、毎日このチャイ屋さんを
オープンしてるのかぁと思うと、チャイをオーダーせずにはいられなかった。
がんばって長い距離を歩いてきた分、あったかいチャイの甘さが染みわたる。

ほっこりチャイブレイク2

















そうして数時間後、次なる集落が見えてきた!
















そこは数百年前へタイムスリップしたような、未だかつて訪れたことない空気感の集落だった。
電気、ガス、水道はもちろんなく、子供たちは靴下で器用に作ったボールでサッカーをし、
そこらじゅうに馬や羊が放牧されている。

ここで食べたご飯は、この近辺で採れる山菜をチャパティに包んだもので、
インドご飯べストトップ3に入るくらいめちゃくちゃ美味しかった。

もう一泊したくなるくらい居心地のいい場所だったが、
まったり村人たちとその日過ごして、翌日次のポイントへ進む。

この日は3時間ほど歩いて、標高3024mにある神聖な湖、Dodital lakeへすんなり到着。
グリーン色の湖の周りには黄色の花が咲き乱れ、馬がのんびりと草を食べている。
まさにエデンの園のような美しい光景!


最髙のテントスポット







思わず見とれる


















テントを張り終わっても今日は日没までたっぷり時間があったため、
たまった洗濯物と自らの体と頭を極寒の川の水で洗い、音楽を聴いたり、日記を書いたり、
皆思い思いにゆったりと時間を過ごした。
化粧も服装もなーんにも気にせず、太陽と風と水に触れているだけで、本当に満たされた。



かなえちゃん入浴シーン

















心も体も癒されて就寝したその晩、深夜に何となく目が覚めて
隣の寝袋の中のエリオットを見ると、ぱっちり目を開けて硬直している。
なんだか様子がおかしい。
「どうかしたの?」と聞くと、
「しっ!。。。この音聞こえる?」とかなり小声で言う。
しばらく耳を澄ましてみると、「オゥ!オゥ!オゥ!オゥ!
と、何かの鳴く声がテントの外で聞こえる。距離にして数十メートルだろうか。
重低音の大きな音が、山に何度もこだまする。鳥にしては迫力がありすぎる。

この声、何だか聞き覚えがあるような。。と思い返していると、エリオットが小声で、
「スノーレパードだよ!!!!!」という。
スノーレパードは、ヒマラヤに生息する白いヒョウで、
私たちはこの1ヶ月前、たまたまダージリンの動物園で
スノーレパードに出会っていて、その鳴き声がとても印象的だったので覚えていたのだ。


こんな感じでいたのかなぁ
















ヒョウが私たちのテントの近くにいると分かっても、
そのとき私は眠気の方が勝っていてだいぶ寝ぼけていたので、
ビビって固まっているエリオットに「きっと大丈夫だよ」とだけ言って、また眠りについた。

翌朝、小屋のおじさんにこの辺りにスノーレパードは出没するかと聞くと、
よく出るよと言っていた。
エリオットが夜中声に気付いたとき、ヒョウの鳴き声は
テントからほんの数メートルくらいの近さだったらしい。
暗くてテントに気付かず突進してきたら、、と思うと確かに恐ろしい。
野生動物にも気をつけなきゃいけないな、と改めて体感して、この湖ポイントを後にする



中央の岩場を登っていきます


















この日のトレッキングは、標高4150mのDarwa峠に到達するまでかなり急な登り坂だと聞いていたので、
しっかりと気合いを入れてスタートした。

だけどこの後、ここ数日のほんわかした時間が幻だったかのように
状況が一変するなんて、この時想像もしていなかった。。

その3へつづく。





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