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2014/02/03

ヒマラヤを歩く 〜ガンガー源流氷河編〜


インドといえば、ガンガーことガンジス川の風景が目に浮かぶ人は多いんじゃないでしょうか?

洗濯などの生活用水にしたり、信仰のため沐浴したり、はたまた死者を水葬したり、泳いであそんだり。。
どんな用途にせよ、ガンガーはインド人にとって欠かせない自然要素のようです。

水浴びと沐浴























はい、そうゆうことで今回は、ヒマラヤ南麓に位置するガンガーの源流、ガンゴートリー氷河を目指します!

標高3048mにあるガンゴートリーは、北インド4大聖地のひとつというだけあって、
ヒンドゥー教徒と、放浪する修行者であるサドゥー(皆彼らをババと呼ぶ)で大賑わい。
ガンガーの水源はここガンゴートリーにあるのではなく、ここから1日半ほど歩いた
ゴームク (牛の口)にあります。

今回は、ガイドやポーターはなしで、エリオットとジェリーと私の3人でスタート。

歩き出して10分、迷う方が難しいと言われていたのに、
この道で合っているのか?としょっぱなで疑い始めていたとき、
前から欧米人の男の人とアジア人の女の子がナイスタイミングで歩いてきた。
二人に道を聞くと「この崖の上がトレイルだ」という。
引き返している時間はないので、無駄にロッククライミングじみたことをして軌道を修正する。
いきなりぜーぜー言うはめになったけど、崖の下の人気のない道で、いい人に出くわせたことがラッキーだったと思うことにする

再出発して標高が少しだけ上がっただけで、山は緑色から茶色に変化していった。


しょうもないギャグを言い合いながら歩くエリオットとジェリー


















前回のシッキム登山とはまったく違って、アップダウンが少なく、道も舗装されている。
だけど、初めてのバックパックを背負ってのトレッキング。
バックパックを背負ってるのと背負ってないのとでは、歩きずらさが全然違う。
慣れていないため、膝が痛くなる。また暑さも加わって体力が消耗されていく。

自分たちのペースで休憩を取り、途中うたた寝などしていると、予定よりかなり遅れを取ってしまっていた。
行けるとこまでいけばいいじゃんっていうお気楽なエリオットとジェリーと違って、
私はちゃんと目的のお泊まりポイントまで行くことに固執していた。
自分の体力が、思ったよりなかったことが悔しかったのかもしれない。

結局、目的地より手前のチャイ屋のテントで、今晩は泊まることに。

チャイ屋では、色んな人が休憩をしていく。
ここは巡礼の道でもあるため、オレンジの布に身をまとったババがたくさんいる。
裸足で歩くババ、ベルトみたいにドレッドを腰に巻いたババ、無言の修行をするサイレントババ。
日本でいう修行僧とはまったく別物で、純粋に興味が沸く。


真ん中のババは言葉を発しないが、ババ同士は意志疎通していた





















巡礼する女性サドゥー

















そしてチャイ屋には思わぬ訪問者も。
逆サイドの山の中腹で、なにかが動くのが見えた。そっと近づいていくと、ヤギの一種アイベックスの群れだ!野生動物に遭遇したときの興奮は、ファンタジーのわくわく感に近い。

よく見るといっぱいいるよ

















岸壁を軽々飛び越えていく



















次の日も素晴らしい快晴。ゴームクを一気に目指す。

このトレッキングルートは、ガンジス川に沿って山の中腹をほぼ真っすぐ歩いていく。
周りが5000〜6000m級の山々に囲まれていて、かなり先まで見渡せるせいか、
歩いてる間ずっと距離感がつかめず、クラクラする変な感覚が続いた。
わぁー綺麗だなぁーと思って遠く先を見ると、度が合わない眼鏡をかけているような
感じになるので、あまり長い時間感動に浸れなかった。
ゴールが近い予感



















暑さとバックパックにも慣れてきて、ラスト土砂崩れぎみの大きな石の地帯を越えると、
目の前にどーーんと氷の塊が出現!
その一部から、氷が溶け出し水が勢い良く溢れ出している。
これがガンジス川の原点だ!!
この雪解け水がこれから沢山のインドの人たちのもとへ流れつき、色や形を変えていくんだなぁと思うと、生まれ変わったような気がした。

迫力満点

















気候的にだいぶ氷が溶け出してきていたため、上から巨大な岩が崩れ落ちる度に
ずどーーんというすさまじい音が山に鳴り響いた。


その晩はアシュラムに泊まり、そこで北海道でラフティングガイドをしてるトクさんと
屋久島でガイドをしてる萌ちゃんと出会った。この場所で久しぶりの日本人に出会えたことは、
何だかとってもうれしかった。
日本に戻ってから、トクさんとは北海道でまた一緒に素敵な旅をすることになる。

真ん中が泊まったアシュラム




















ごほうびの満天の星













次の日、トクさんと萌ちゃんも一緒に、来た道を戻った。
体力もだいぶつき、新たな仲間も加わって、同じ道なのに
こんな道通ったっけ?って何度も思うくらい新鮮な気持ちになっていた。

仲間が増えると心強くて、楽しい























山の深さが浅くなっていくと、ガンゴートリーが見えてきた。
お風呂に5日間入ってなくても、山を出るのがちょっと寂しく感じる。

そしてガンゴートリーへ着くと同時に、見覚えのある顔が前から歩いてきた。
向こうもこちらへ気付くと、女の子の方が萌ちゃんに抱きつき、
男性の方はトクさんとハグして偶然の再会を喜んでいる。

そう、彼らはこのトレッキングの始めに私たちに道を教えてくれた二人だった!!

この二人とトクさんと萌ちゃんは、皆一人で旅をしているのだけれど
旅中に出会い、前に一緒に行動を共にしていたのだという。

やっぱり繋がってるなーと思う。
ごく自然な流れで日本人のカナエちゃんとアメリカ人のトムも加わり、
そのあと数日間、一緒に旅をした。

何日でも一緒にいられそうな心地良さがあったけど、
来るときが来たら、皆それぞれ自分の思うがままの行き先へ進んでいく。
だけど、また何処かで会えるから寂しくても寂しくない。

こうゆう出会いと別れがあるから、旅はやめられない!!

つながりをくれてたくましくしてくれたこのヒマラヤに、心からの感謝を!




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